
うちの子最近嘘をつくようになった
そう感じている親御さんはいませんか?
子どもの嘘は、親御さんを不安にさせるだけでなく、どう対応すれば良いのか悩んでしまうものです。
子どもが嘘をつくたびに、「子育てがまちがっていたのか」と自分を責めてしまう親御さんも多くいます。
でもちょっとまってください。
子どもの嘘は成長過程でよく見られるもので、決して珍しいことではありません。
大切なのは、その時にどう接するか。
子どもの心に寄り添いながら、「うそ」の背景を理解し、信頼関係を育むチャンスに変えていきましょう。

今回は、子どもが嘘をついたときの理由や、
親としての上手な対応方法についてご紹介します。
子どもの「うそ」はどこからくるの?
幼児期の子どもが嘘をつくのには、さまざまな理由があります。
成長するにつれて、その理由も変わってきます。
それぞれの年齢における子どもの心理状態を理解し、適切な対応を心がけましょう。

リリー
発達過程を理解することで、
子どもの嘘に対して年齢相応の対応ができるようになりますよ。
年齢別に見る理由と対処法
【2〜3歳頃】
この時期の「嘘」は、想像と現実の区別がつきにくいことが原因です。本人は嘘をついているという自覚はなく、空想の世界をそのまま言葉にしています。
例えば…
●子どもが「私はドラゴンと遊んでいた」と言うことがありますが、実際にはただの空想です。
●おもちゃを壊した後、「おもちゃは自分で壊れた」と言うことがあります。
これは、壊したことを隠そうとしているのではなく、現実を理解していないためです。
「そうなんだ!楽しいことがあったんだね」と受け止めつつ、「それって夢の中だったのかな?」などと、現実との違いをやさしく伝えましょう。
【4〜5歳頃】
他者の考えと自分の考えが異なることを理解し始め、意図的に事実と違うことを言えるようになります。
多くの場合、叱られることを避けたい、欲しいものを得たいという単純な動機からです。
例えば…
●「お菓子を食べた?」と聞かれたときに、「食べてない」と答えるが実際には隠れて食べていた場合。
これは、「叱られたくない」という自己防衛の気持ちからです。
●友達に「私の家にはお金持ちのペットがいる」と言い、実際には普通の犬を飼っている場合。
これは、友達に自慢したいという動機から来ています。
嘘を責めるより、「どうしてそう言ったのかな?」と気持ちを聞くことが大切。
「正直に話してくれてありがとう」という声かけで、誠実さの心地よさを育てていきましょう。
【5〜6歳以降】
社会的な嘘(気を遣った嘘)も理解し始め、複雑な動機から嘘をつくこともあります。
また、他の子どもたちに自慢したい、注目を浴びたいと思って嘘をつくこともでてきます。
例えば…
●友達が「私の絵が上手?」と尋ねたときに、「すごく上手だよ!」と答えるが、実際にはあまり上手ではない場合。
これは、友達を傷つけたくないという気遣いから来ています。
●「昨日、サッカーの試合でゴールを決めた」と言うが、実際には試合に参加していない。
これは、注目を浴びたい、または仲間に認められたいという動機からです。
「すごいね!でも、もしかしてちょっと大きく言ったかな?」など、やさしく気づかせてあげることが◎。
気づかいの気持ちが見られる場合は、
「やさしい気持ち、うれしいよ。でも、ほんとうのことも大事だね」
と伝えると、気持ちと誠実さのバランスを学ぶ機会になります。

リリー
このように、子どもがつく嘘は年齢とともに動機や内容が変化します。
嘘をつかない子に育てるための家庭での対応
嘘をつかない子に育てるためには、日々の家庭環境と親の関わり方が非常に大切です。
以下の点を意識することで、お子さんが正直であることの価値を理解し、安心して話せるようになるでしょう。
安心して本当のことが言える環境を作る
子どもは、「本当のことを言っても怒られない」「受け止めてもらえる」と感じられる時に、正直でいられます。
たとえ子どもが嘘をついたとしても感情的にならず、まずは話を聞くようにしましょう。
子どもが真実を話した時に激しく怒ってしまうと、次からは本当のことを話せず、嘘をつくことを繰り返してしまいます。
「本当のことを言ってくれてありがとう。勇気がいることだったね」と伝え、どうしたらいいか一緒に考えようとする姿勢を示すことが大切です。
親自身が正直な姿を見せる
親は子どもにとって一番身近なロールモデルです。
日常の些細なことから、大切なことまで、親が正直な言動を心がけることが、子どもにとって何よりの学びとなります。
ちょっとしたごまかしや、小さな嘘も意外と見抜いています。
親が間違いを素直に認める姿を見せることで、正直さの価値を自然と学んでいくでしょう。
嘘をつきたくなる状況を減らす
子どもは成長の過程で、様々な失敗や間違いを経験します。
その都度、厳しく責め立ててしまうと、子どもは叱られることを恐れて、真実を隠そうとしてしまいます。
失敗や間違いを「学びの機会」と捉え、一緒に原因を考えたり、どうすれば良いかを話し合ったりする姿勢が大切です。
重要なのは、普段から結果だけでなく、そこに至るまでの過程や、頑張りを認めることです。
「いい子にしたら愛される」という条件付けは不安を生み出し、嘘をつく動機となってしまいます。
正直さの価値を教える
嘘をつくことのデメリットだけでなく、正直であることのメリットを具体的に伝えましょう。
「正直に話すと、みんなが信頼してくれる」「嘘をつかないと、気持ちがすっきりする」など、子どもが理解しやすい言葉で伝えることが大切です。
嘘をつくことで他人を傷つける可能性があることを教えることも必要です。
その時には身近な人や日常で起きる具体的な例を使って説明しましょう。
絵本や物語などを活用して、正直さの価値を伝えるのも効果的です。
子どもが正直でいるために、親がもつべき姿勢
子どもが正直でいるためには、親自身がどのような姿勢を持つかが非常に重要です。
受容的な姿勢
子どもの気持ちや考えを受け止める姿勢が重要です。
嘘をついた背景には、子どもなりの理由や感情があるはずです。
頭ごなしに否定するのではなく、共感する姿勢を心がけましょう。
そうすることで、子どもは安心して心を開きやすくなります。
失敗や間違いを正直に話した時には、その勇気を認めてあげましょう。
公平な姿勢
感情的にならず、冷静に状況を把握し、公平な態度で接しましょう。
親の感情的な反応は、子どもを萎縮させ、本当のことを話すのをためらわせる原因になります。
兄弟姉妹がいる場合、一方的に叱るのではなく、それぞれの言い分を聞き、公平な判断を心がけましょう。
嘘をついた時の対応を夫婦で一致させる
子どもが嘘をついた時の対応について、夫婦間でしっかりと話し合い、共通の認識を持つようにしましょう。
それぞれの対応が 違うだと、子どもは混乱し、状況によって嘘をつくことを学習してしまう可能性があります。
どちらかの親が厳しく叱り、もう一方の親が甘やかすといった対応は避けるべきです。
オープンなコミュニケーションを大切にする
日常的に子どもと対話する時間を作り、どんな小さなことでも話せる関係性を築きましょう。
「何があっても話してほしい」というメッセージを繰り返し伝え、実際に信頼感が高まり、正直に話をしやすくなります。
子どもが話すときには、しっかりと耳を傾け、理解しようとする姿勢を持ちましょう。

リリー
これらのような親の姿勢が、
子どもに「正直でいること」の大切さを自然と伝えていきます
おわりに
子どもは「正直に話しても受け止めてもらえる」と感じたとき、自然と本当のことを言えるようになります。
親がもつべき姿勢とは、「正しさ」を教え込むことではなく、子どもの心に寄り添い、信頼できる関係を育てること。
子どもの心がほっとできる、そんな関わりを大切にしたいですね。
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