こんにちは!
現役保育士のリリーです。
入園・進級からあっという間に半年が過ぎ、
気づくと一年の終わりもみえてきましたね。
特に今年初めて入園させた方は
心配事も多い日々だったことでしょう。
お子さんも保育園に慣れてきて
活発に遊ぶようになり嬉しい気持ちもある反面、
保育園にお迎えに行くと、

すみません。
今日お友達に噛まれてしまって…

え…
また!?!?
なんてことありませんでしたか?
お子さんがお友達にかみつかれてしまった時、

なんでうちの子ばかり…

痛かっただろうに…
と心配になりますよね。
逆にお子さんがお友達にかみついてしまった時、

私の育て方がいけなかったのかな…

俺に似たのかな…
と、自分のことを責めてしまう保護者の方もいらっしゃいます。
保護者の皆さんの心配や不安な気持ち、痛いほどよく分かります。

リリー
今回は、1歳から2歳のお子さんをもつ保護者の方から
よくご相談いただく「かみつき」についてお話したいと思います。
どうして「かみつき」が起こるの?
自我の芽生えと言葉の発達のギャップ
1歳半を過ぎる頃から、
子どもたち同士の関わりが増えてきます。
お友だちのおもちゃが気になったり、
遊びたい気持ちが芽生えたり、
ちょっかいを出したりと、
人との関わりの中で
たくさんの感情を経験し始める時期です。
だけどこの時期の子どもたちは、
まだ言葉で自分の気持ちを
上手に伝えることが難しく、
思いがうまく表現できなくて、
代わりに「かみつく」という行動で
気持ちを表してしまうことがあるんです。
たとえば、
- 「それ、ぼくが使ってたのに!」
- 「一人で遊びたいからあっちに行ってよ!」
- 「なんだかイライラする…」
そんな気持ちが、言葉ではなく“かみつく”という形で出てしまうのです。
- 自我の芽生え: 自分の意見や気持ちを主張したいという欲求が強くなります。
- 言葉の未発達: 自分の気持ちを言葉で表現できず、行動で示そうとすることがあります。
- 遊びの中での興奮: 友達との遊びが盛り上がる中で、興奮状態になり、かみつく行動が出ることがあります。
うちの子ばかり噛まれてる!?
自分の子がお友達に噛みつかれてしまうと、
「どうしてうちの子ばかり…」と心配になるのは当然のことです。
私達保育者も連日でかみつきが起きないよう
注意してみていても、
ほんの一瞬の隙にかみつきが起きてしまい

今さっきまでちゃんとみてたのに

また同じ子が噛まれてしまった…
と、いう場面もしばしば。
実は積極的にお友達と関わろうとする子ほど、
噛みつかれてしまう傾向があるんです。
それなので保育者は
友達とかかわりたいという想いを尊重しつつ、
上手にかかわりがもてるように、
仲立ちしたり、
子ども同士のかかわりを見守ったりしています。
それでも保育者が
他の子の対応をしている間に
お互いの気持ちがうまく伝わらず、
噛みつきが起こってしまった…
なんてこともあります。
噛まれてしまいやすい子は
毎回いつも同じだったりするので、
その子から目を離さないようにしたり、
必ずそばに保育者がつくようにしているんですが、
ほんの一瞬の隙に噛まれてしまうんですよね…。

リリー
これはけっこう保育士あるあるだと思います(涙)
積極的な子ほど関わりが多く噛まれやすい!?
友達と遊ぶのが好きで
いろいろな子と関わろうとする子や、
好奇心旺盛で、
他の子の遊びに興味を持つ子などは
友達との関わりが活発なので、
様々な場面に遭遇しやすいです。
関わりが多いと
友達とのトラブルの中で
噛まれてしまう場面も必然的に多くなりますが、
一緒に遊んだり、
関わりの中で刺激をもらう場面も
たくさんあるんです。
いつも噛まれてばかりで、
友達とうまくやれてないのでは?と思いがちですが、
むしろ、
一人遊びが中心だった乳児期から、
友達の存在に気が付き、
関わりを持とうとする社会性や
積極性の芽生えが表れてきている証拠でもあるんです。
保育園が「かみつき」を防ぐために行っていること
噛まれてしまった報告が続くと、
なんにも対策してくれていないんじゃないかと
保育士に対して不信感が募ってしまいますよね。
もちろん保育者は
「噛まれてしまいました。すみません」
だけではなく
どんな場面で噛まれてしまったのか、
原因を説明することや、
噛みつきが多い場合に
どのように対策をしているのかを
保護者にお伝えするのも大切です。
一般的に
保育室内でどんな対策が行われているのかをご紹介します。
・子どもたちの様子をよく観察し、トラブルになりそうな場面では事前に声をかける
・おもちゃの取り合いが起きにくいよう、数や配置を工夫する
・子どもたちの気持ちを代弁し、言葉で伝える方法を少しずつ教える
・噛んでしまった子には、「痛いからダメだよ」と伝え、言葉での伝え方を教える
・噛まれた子のケアを最優先に行い、気持ちに寄り添う
・両方の子どもの気持ちを受け止め、今後に向けた関わり方を考える
まとめ
お子さんが噛まれてしまったとき、不安や怒りを感じられるのは当然です。
そのお気持ちをどうか遠慮なく保育士に伝えてください。
同時に、知っていただきたいことがあります。
*かみつきは、この時期の子どもの発達過程でよく見られる行動です
*どの子も噛む可能性があり、どの子も噛まれる可能性があります
*関わりが豊かな子ほど、トラブルに遭遇する機会も増えます
これは成長の過程であり、必ず落ち着いていきます。
かみつきは、子どもたちが言葉を獲得し、社会性を身につけていく過程で起こる一時的な現象です。
保育士は、一人ひとりの子どもの気持ちに寄り添いながら、
安全で安心できる環境づくりに努めています。
お子さんが噛まれてしまったとき、不安な気持ちをどうぞ遠慮なく保育士に伝えてください。
保護者の皆さまと保育士が信頼関係を築き、
協力しながら子どもたちの成長を支えていけることを願っています。

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